(↓これまた凄まじい演奏。斬新ですが的を得ています)
かっちゃいました、CDまで(笑)。
http://www.amazon.co.jp/s/ref=dp_db_clas_perf?ie=UTF8&search-alias=classical&keywords=%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%9F%E3%83%8B%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%83%A9%28%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%8E%29
渋谷に楽器の調整に行ったので(下降気味だった調子が復活した!!)、タワーレコードに行き何枚か購入。他はルプー(Pf)とグールドの後期ブラームス作品。op,117~119辺りの作品群です。最近この辺りが再マイブームで。ぺライアの新譜(同じくブラームス後期)も欲しかったですがちょっと我慢。カルミニョーラの四季は「ブルースペックCD」なる不思議なCDがあったのでなんとなくこちらを。
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実は四季は各場所で色々表題が付いています。例えば、春の1曲目は「春が来た」、まあそのままです(笑)。その後ソロが出てくる所は「鳥の鳴き声」、激しいトレモロ風(刻み)に聴こえる所は「黒雲と稲妻が空を走り、雷鳴が春の到来を告げる」、短調になりその後再びソロが出てくる箇所は「風がやんで小鳥は再びさわやかに歌いだす」~とあります。スコアに書いてあります。
カルミニョーラの演奏をこれと照らし合わせながら聴くと、この演奏の斬新さが実に説得力を持って表現されているのがよく分かります。巷のパフォーマンス的な表現とは全く違います。気分で弾いているのではなく、完全に表現者の確信を持っての演奏。それには類稀な表現力が必要ですが、彼は本当に見事。サポートしているヴェニス・バロックオーケストラも本当に見事です。
ただ、この素晴らしいCDも生のインパクトの半分も表現されていません。なんせものすごい集中力ですから。あの現場の雰囲気はとてもCDには入りきりません。
一流の演奏家の演奏って、一流であればあるほど記録メディアには入りきらない「何か」があると思います。これを真空管が少しでも補ってくれると思っています。その為のアンプや球の使いこなしだと思います。
生徒さんのお父様に300Bを頂きました。両方とも中国管です、でも銘柄がわからない・・・
(↑なんだろう?ガイドピンは付いています。プレートはツヤ消し)
↓こちらはGD300Bスーパー。ペアで頂きましたが1本死んでいるそうです。
持ち主のお父様はアルテックでジャズ専門なようで「自分にとって300Bは必要な球ではなかったので…」と仰っていました。KT88プッシュプルを使われているそうです。
11/28に、前から一度聴きたいと思っていたカルミニョーラ(バロックvn)を聴きに行きました。場所は三鷹の芸術文化センター「風のホール」。いやぁ凄かった…超一流、個人的には現役の音楽家で5人に入る超一流でした。
concertはオールウ゛ィウ゛ァルディプロ。ほぼ「手兵」と思われるウ゛ェニスバロックオーケストラのアンサンブルから始まりました。これはこれで面白い雰囲気でした。調弦は普通。現代のピッチです。チェンバロと共にリュートが入っているのが特徴的です。
前半の最後になりカルミニョーラが登場。イメージより引き締まった顔つき。陽気なイタリア人の雰囲気はありません。曲が始まり…一気に空気が引き締まりました。まさに「鞭が入った」というにふさわしい雰囲気。唖然としたのがその右手。弓が速い!いや速いのは想像つきましたが、速いのに音がかすれない。ボローニャの銀行から永久貸与されているという1732のストラド(裏は1枚板らしい)から、今までのストラドの概念を打ち砕く…まさに初めて聴くぶっとい音色です。まるでチェロの様な倍音感、そして圧倒的な和声感。カルミニョーラさんは冷静で視野が広いながら、強烈なエネルギーで時に足を踏み鳴らしながら素晴らしいテンポで進んで行きます。初めて「音程を微妙に下げて分厚い倍音や通る音を出す奏法」をvnでやっている人をみました。これは誰でも芸当ではなく、かなり難しいのです。vnの場合音程を微妙に上げて音圧を出す事で音を立たせようとする人が殆どなのですが、カルミニョーラは逆にオケより下げる事で音や和音の「重さ、異物感」を表現していたのです。強烈な「サムライ」でした。世の中広い!こんな巧さは初めて見ました。ぞっこんです。CDも良いでしょうが絶対一度生で聴くべき音楽家です。
水曜日の紀尾井ホールでの公演が今回の来日での最後な様です。もう一度行こうか迷っています…(12/1加筆、完売だった、とほほ…)
(↓SV-310、マッキンC11、C22。ここには写っていませんがSV-722もあります。
写真は最近ハマっているジオラマモードです)
scoreさんはこの3台のプリを使いこなしておられます。マッキンのプリは初めて聴きましたが独特の味がありますね。SV-310が空気感、透明感、立体感が強いのに対し、マッキンはオイリーというか、色づけが強い。慣れるとこれがとても良いんだろうな…と想像できました。ソース自体がマッキン色に染まり、聴きやすくなります。
しかし、プリの違いって本当に大きい!こうして較べると一目瞭然。
scoreさん宅では本家オートグラフ以外にも色々なSPを聴かせて頂きました。その中でも印象的だったのは、初体験のaltecなんちゃら1本で聴いたモノラルのカザルスのG線上のアリアでした(通称Gアリ)。SP1本再生による説得力とカザルスの説得力が合わさり、実に良い演奏でした。
そしてmini825です。これはうちに初号機がありますが、501SEで聴いたせいか初めての音を聴いた感触でした。うちももっと良い音で鳴らしてあげねば!scoreさんは多分樽インシュレータで浮かせて響かせていたように思います。またオートグラフの上においてある事によりホーンの広がり先が下方向に自由が出て素晴らしい音場でした。余談ですがこのSPは少し3m以上離れて聴いた方が活きます。scoreさんのセッティングとアンプのチョイスはなかなか巧みで弦楽四重奏なんて本当にリアルでした。自分はいままで6V6球で鳴らしていましたが、300Bも良いな、と思いましたね。
kitLS3/5Aも聴きました。こちらは自分の知っている音よりヴィンテージ色の強い音でした。おそらくscoreさんの好みでしょう。内振りも強めです。自分は特にこのSPの場合は殆ど内振りはしません。オートグラフミニもあまり振らず、右チャンネルだけ少し振ります。なので逆に凄く興味深く聴きました。
こうして色々聴かせて頂いていると自分の事も分かってきます。自分の音やセッティングはやはり「演奏家側のセッティング」、scoreさんのセッティングは「客席特等席のセッティング」です。
「演奏家側のセッティング」は舞台上のイメージで、音源から近いので反射の多い客席側ほど濃い音にはなりません。そしてより音圧や雑音、空調の音や譜めくりの音等がクローズアップされます。なるほど、「音は人なり」です。耳位置の違いがセッティングの嗜好にはっきり表れます。