さて・・・誰も待っていないであろう、実験を(笑)。6732SEプリ(こばちゃん自作プリ、SV-3の回路がベース)の整流管選び兼整流管テストです。使う予定ではない球も、この際テストしてみました。
試聴はスピーカーがオートグラフ・ミニ、パワーアンプはSV-91B(300Bはプライム5ナス、整流管はシルバニアJAN)挿し替えるプリ部が勿論こばちゃんプリ(出力管:6SN7系、今回はECC32とGE 6SN7GTBを使用)、DACはSV-192S、CDPはTL3Nです。外部クロックは無し。
試聴はこの2枚から抜粋(飛ばしながら。全部聴いていたら身体がもたん・・・)
主に動物の謝肉祭を。ピアノの響き、弦の鳴り、コントラバスの響き、白鳥のチェロの響き方や音楽性の伝わり方等。たまにオーボエ四重奏や弦楽6重奏も聴いています。音に惹かれた管の試聴時間が長くなっているのは言うまでもありません。
こちらはシェヘラザードの4曲目しか聴いていません。しかも全部の管では聴いていません。惹かれた管では必ず聴いていると思います。弱音のざわめき、表現やソロVnの鳴り方、1曲目のテーマに戻ってきた時の感動が伝わるかどうか、が主なポイントです。
================注釈===============
・あくまでこばちゃんプリ、このシステムでの印象。
整流管固有の特徴と完全にイコールとは限りません(皆さんご承知ですよね)。
そこら辺、差し引いてお読み下さい。
・比較的入手容易から困難まで色々あります。決して煽るのが目的ではなく、
あくまで一緒にバーチャル試聴的感覚で(そうなんだ~へぇ!)みたいな
気軽な感覚でお読み下さい。
・こばちゃんさんの印象がとても的確だったので、一緒にアップします。
プリのヴォイシング時の印象をメールなどで頂いたもので、今回の試聴の感想ではありません。
言葉も簡潔にしてあります。申し訳ない!
・借り物も多数あり。特にRockyさまにはすぺしゃるサンクスです!!
・JAZZやボーカルは敢えて全く聴いていません
(あまりバランスに拘りがないから)。本当にクラシックのみなので、あしからず。
・当然、主観が入っています。特に普段のプリはSV-310で整流管はWE422Aなので、
その音がリファレンスとしてこびりついていますんで、そこも鑑みてお読み下さいませ。
・管の真贋は問わないで下さいませ。
・比較試聴なので、流石に差を感じようと意識して聴いています。
普段の聴き方とは全く違います。
・数日に亘って試聴、記録してます。
・中にはエージング不足の管もあります。またプリ自体もコンデンサ変更後60時間くらいかな。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
◆CV575吊り(U52、5U4G同等管、よく知りませんが英国系!?
(↓拾った画像。これと同じなのかな??)
【ECC32での印象】ふくよか、エッジ甘くはないがやさしめ。色が多い。MullardGZ34より品格有り!?見た目がゆるキャラ(笑)。コントラバスよりチェロが豊かに歌うのが良い。
【GE6SN7での印象】すっきりしているが柔らかさがある。耳あたりがよく、問題なく毎日聴ける。品を感じる。一つのベスト中庸。
◆BRIMAR 5U4G吊り、マグネシウムゲッタ
【ECC32での印象】英国管にしては音が締まっていて、少し近めの音。キレ味良い。コンバスがよく鳴る。vn.は締まり過ぎる印象。英国らしからぬ、どちらかというモニター系の音。クラシックではメリハリが有りすぎかもと思うほど。STCと違い、音量上げると少し音がきつい。
【GE6SN7での印象】英国管なのにGEの方がずっと相性よく感じる。余韻と艶がある。繊細感高い。ECC32で感じた音の近さが成りを潜めた。チェロも大変色っぽい(笑)。やはり音場感は高い。エージング不足の可能性高い。
◆RCA5U4G固定フック
【ECC32での印象】キレを感じる。演奏が見えやすい。
【GE6SN7での印象】弦に耳がいく。ボウイングが分かりやすい。バランスよく纏まっている。色気は少ない。ちょとサラサラしてるかも。
【こばちゃん評】グッと腰低く。色彩感は後退、墨絵的な表現。これも中低域は出てるが5AR4よりは少ない。
◆ム印5AR4(GZ34)
【ECC32での印象】ふくよか、エッジ深い。どちらの出力管でも良い音。チェロはGEもECC32も素晴らしい。ウォーム感高く、多分score様の好きな音(厚み)。奥行き表現も良い。SPに因っては音が分厚過ぎるかも。
【GE6SN7での印象】ふくよかで艶がある。チェロやビオラは最高。6SN7GTBだとSTCより好相性。見た目のバランスがSVー17kにも似てる(笑)。
【こばちゃん評】エネルギッシュ、少しきらびやか過ぎ?パステル画的。中低域も十分。
◆RCA5AR4
【ECC32での印象】ふくよか、エッジ甘め、モニター系からもっとも離れた表現、でもボケてはいない…ある意味実演に近いかも。
【GE6SN7での印象】優しい音。熟睡出来そうな音(笑)。ホール2階後席の音的な表現。音楽性高い。
◆RCA5R4GY(吊りフック)
【ECC32での印象】バランス系。色もあり、聞き流しに最高(褒め言葉!)。音楽性豊か。ただ根っから明るい。毎日聴ける音としてベスト。エアー(音に空気)が多い。音源とは距離感とるタイプ。
【GE6SN7での印象】GE6SN7GTBの方が合っている。相性はRCA5U4G以上。大編成が特に良い。やはり音は明るい。過去のこの管の印象でベストマッチング。
【こばちゃん評】ム印5AR4がパステルだとすると少しグラデーションを落とした感じ、水彩画まではあっさりせず。中低域は5AR4と同等の力感有り。STCに近いがやや力強さが少ないか!?
◆STC4274B
【ECC32での印象】オーディオを忘れやすい。刺激的な音しない。オケも得意分野。品格あり。玄人、大人の表現。ざわめきや抑え目の表現が素晴らしい。モニター系の音ではない。倍音が自然!?音量上げたくなる。表現アプローチがWE422と好対照で、422より紳士的。音がよく纏まっている。
【GE6SN7での印象】ECC32時より劇的ではないが、やはり良い音。高域が柔らかいので耳あたりが良い。ただ、やはりECC32で聴きたい。
【こばちゃん評】全域万遍なく出ておりWE管に共通する力感もあり表現力抜群。
◆STC5R4GY(CV717)
【ECC32での印象】良い管。4274より少しだけ軽め、薄いか。音楽性より出音の説得力で勝負。メリハリがある。逆にいうとメリハリを感じさせる分、4274と較べると、「オーディオを忘れさせる」までいま一歩。でも間違いなく素材として良い管。
【GE6SN7での印象】…最早よく判らない(笑)。ただ敢えて言うと4274とは高音の拡がり方がちょと違う気がする。5R4GYの方が高音に伸びを感じる反面、4274の方がオーディオらしからぬ拡がり方をする。うまく説明できん…
◆WE422A
【ECC32での印象】流石としかいいようがない(笑)。素晴らしい説得力。実体感高いのにモニター系過ぎない、音楽性が高い。ただ印象は多分に普段使っているSV310リファレンス管の影響がある(要は判官びいき)。自分には全く違和感なし。
【GE6SN7での印象】不満無し。この管特有の音場感がある(惚れてますね、笑)。リラックスして聴くより覚醒するタイプの音。多分うちの部屋やAutograph miniと相性が良いのだろう。それだけ固有の音や鳴りを持っていると言える。
◆WE274
【ECC32での印象】これも流石のバランス。音より音楽性が必ず上回っている。意外と癖は感じない。音がとてもよく繋がる(ある意味脚色かも)、こう聴くとこれ見よがし(の音)ではない。
【GE6SN7での印象】
とても活き活き、ただECC32時の方がより自分好みか。音明るい。音場感豊か。422より微かに優しい浸透力。音と音がやはり繋がりやすい。
◆ダリオGZ32
【ECC32での印象】バランス型。嫌な音出さない。何故かピアノに耳がいく。明るい音。距離感が聞きやすい。深さは少ないが音楽性は感じる。これは有りかも。
【GE6SN7での印象】響き多め、抜けを感じる。透明感高い。常用管向き。
【こばちゃん評】水彩画、全域クリアで透明感、改造前の音に近似。
◆シルバニア5Z3JAN吊りフック(変換アダプター使用)
【ECC32での印象】明瞭。エッジが立つが痛くない。シャープ、クール系。高音がキラキラしてる印象。
【GE6SN7での印象】シルバニアグリーンリーフよりほんの少し引き締まった音。音色は同じだがバランスが僅かに違う印象。結果的に少しクール目に聴こえる。
◆シルバニア5Z3グリーンリーフ吊りフック
(変換アダプター使用)
【ECC32での印象】なかなか低重心。低域ふくよか。音に厚み。下倍音がよく出る。少音量でも聞かせる。聞きやすい。子音が柔らかい。ド迫力感も少し穏やか。
【GE6SN7での印象】音に厚みがある。落ち着いた音調。エッジがぼけるのではなく音の厚みでやさしくなる。チェロも切なげで良い。高音が柔らかく、アナログ的な表現。
◆RCA280(ナス)(アダプター使用)
【ECC32での印象】極めて細い筆、タッチ繊細。見た目は変換ソケット付きだから不恰好(笑)。でも音は有り。打楽器はおとなしい。敢えて言うとピアノの実体感ちょと低いか。チェロは良い。
【GE6SN7での印象】参考程度に聴いてみたが、RCAは総じて明るい音。ただSVー310時に感じたナロウ感はこばちゃんプリではあんまり感じない。マッチングの差なのか…。低域はすっきりめ。やはり「筆の毛が繊細で細い」印象。
◆セトロン5R4WGB
【ECC32での印象】メリハリ高い。較べなければ(これで充分)と思わせるまとまりがある。個人的にはパワーアンプ向きか。音楽性より良い仕事的な音かも。かなりの実体感。精神性があまり出ないのが残念(笑)。
【GE6SN7での印象】しゃっきり系。「良い仕事をする」系の音。音量上げ過ぎると硬く感じる。明るい。色気はないが艶はある。
◆NEC5R4GY
【ECC32での印象】特に高音のヌケが良い。明瞭、明るめの音。音量上げてもうるさくない。音場感もとてもよい。低域は緩くないが締まり過ぎてもいない。音楽性も高い。
◆RTC5R4GYS
【ECC32での印象】独特の余韻が感じられる。コンサートの雰囲気を巧く表現。中高域に色気がある。でもうるさくない。あまり知らない音。マイカの固定も金属なのでそれが関係しているのかなぁ・・・。品位がある。
◆㋰ラードGZ37
【ECC32での印象】意外と高評価!SV-310で感じたナロウ感があまりない。メリハリあるが聴き易い。同じ傍熱管だからか、422に通じるものを感じる。小音量での充実度が高い。同じ㋰ラードでもGZ34のような音の厚みはない。
=========================
ああ、疲れた・・・(笑)。面白かったでしょうか??今回の記録は自分用ですが、何かの形で参考になれば幸いです。
くれぐれも真似しないでね・・・て、しないか(笑)。
因みにまだ全く結論は出ていません。方向性もまだ。まずは一度3、4本くらいに絞ろうと思います。月変わりでもいいし(笑)。