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3大憧れ弓。

自分の3本の憧れ弓について、メモしておきたいと思います。

フランスオールド弓製作者の詳細についてはラルジュさんのページにお任せして・・・
http://www.large.co.jp/b_m.html

フランソワ・グザビエ・トルテFrancois Xavier TOURTE
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グランド・アダムADAM, Jean (通称 GRAND ADAM)
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フランソワ・ぺカットFrancois PECCATTE
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まず現在の弓の形を定めたトルテですが(トルテも本当は4人います、フランソワトルテが有名)・・・本当に短い時間ですがご対面したことはあります。「オーディオは2種類しかない。WEか、それ以外か」に近い言葉をどこかで読んだことがありますが「弓はトルテとそれ以外・・・」と正直、体験してしまうと思ってしまいます。それぐらい違う。ねいろは透明感がり、子音が独特で、音は柔らかいのによく跳ぶ。TANNOYの音とALTECの音跳びを合わせたような(笑)。ここまでは他の銘弓にもある性能なのですが・・・トルテ独特なのは「どこから音が出ているか判らないような鳴り方をする事」、「手元では比較的静かなのに遠くでの音量は凄い」事。これは他の弓にはあまりない特徴です。スティックはしなやか、現代の基準でいうと弱い方。とても倍音のバランスがとれていて、ある意味地味な音ともいえるかもしれません。人々を惑わせるようなロマンティックな音色ではありません。また現代弓の感覚で持ってしまうと響きが止まり、本来の音が出ません。相当ゆるゆるに持って初めて真価を発揮する、奏者をとても選ぶ弓でもあります。

次にグランド・アダム。息子なのにグランドアダム(笑)。アダムも3人います。この製作者は特にビオラやチェロ弓の評価が高く、持ったバランスはあまり良くないのですが素朴で重心の低い、説得力の強い音がでます。2回ほど借りて弾いた事ありますが、そのたびに感激しました。トルテとはまた違った意味で材料が独特。憧れの弓です。

3本目はフランソワ・ぺカット。これはちょっと変化球的な存在です。世間で「ぺカット」といえばトルテと双璧といわれているドミニク・ぺカット。フランソワはその弟で、短命(34歳で没)だが天才的であったと言われています。ドミニクが高バランスで超機能的(音が下品とも言う人もいる)な弓であり、フランソワの息子シャルルが大変華やかでよく吸い付き、判りやすい良い音なのに対し、フランソワは魅惑的な力があると言われています。自分も1本しか見た事ありませんが、ねいろにとても惹きつけられるものがありました。ドミニクとの共作時代もあったので純粋なフランソワぺカットとしては数が少ない、これまた憧れ弓です。

ちなみにこの3大憧れ弓、現在は評価も完全に憧れレベル。3本足したら「劇的ビフォアアフター」が多分3本撮れるでしょう(笑)。全軒地盤改良入りで(爆)最早プレイヤーが持てる値段ではありません。

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そんな弓の世界ですが、「トルテとそれ以外」といってしまうと身もフタも無いのでもう少し細分化すると「トルテ系、ぺカット系、それ以外」という分類も可能かと思います。世の中の弓製作者は皆トルテを意識し、勿論フルコピーやインスピレーションモデルを作っています。ドミニクぺカットやヴォアラン、ラミー、サルトリーなども例外なくトルテモデルを作っています。日本でもアルシェにトルテの完コピモデルがあります。その上で皆、現代の要求(竿の強さ、音量、力強さ、バランス)に合わせオリジナルモデルを創っていきます。ただ、本当に進化しているかというと・・・万人向けにはなっているとは思いますが。

自分の印象では、ヘッドの形は見分けや機能としては大事ですが意外と音色には影響なく、音に一番影響するのは材料と竿の削りです。もう、この二つで全体の性格の7、8割が決まる気がします。竿には8角と丸がありますが一口に角、丸といっても様々。特に丸も(垂直に切ってみたとしたら)楕円や扇に近い削りのもの、(手元は必ず角なので)角の状態が長いもの、色々です。
「弓なんか皆同じにしかみえないよ」なんて自分も思っていましたが、西洋人からみてアジア人が同じに見えるのと一緒で、日本人から見ればはっきり違うわけで(ちと乱暴な喩え??)。弓も、自分も見分けがつかないながらも数見ると、どことなく好みの形や設計が雰囲気で伝わってきます。持った段階で好きか嫌いかはほぼ判り、音出すと大体の様子が判ります。楽器が人間の胴体だとすると弓は「喉、口」にあたるので本当に大事。喉や口が調子悪いと本当に困るでしょう。
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by kennoy-mini | 2014-08-14 16:48 | kennoy工房。 | Comments(4)