こないだ、古い弓をまとめて触るチャンスがありました。
サルトリーを4本とその他3本・・・サルトリー(1871~1946)は近年プレイヤーに人気がある弓らしく、お値段も高騰してる製作者ですが、個人的にはあまり好みではないのであまり自分からは触りませんでした。でも今回はまとまった本数があったので、話のネタ程度に触らせて頂きましたが・・・なかなか面白かった。
竿の強さが全面に出たサルトリーらしい特徴のもの、オールド風のしなりを感じるもの、標準より少し長いもの、もう1本は忘れた・・・(爆)音は、とある人は「それぞれ全然違うね」というだろうし、とある人は「おおまかには同じ音がするね」というでしょう。自分は「概ね同じ音」の印象。勉強になりました。
その他に3本見せていただいたのですが中に1本、興味深い弓がありました。
非常に弾き心地が楽で、まるで「タクシーのように目的地まで快適に運んでくれる」タイプ。
最近の自分の好みは「馬のように乗りこなしに大いにコツはいるが、わかりさえすれば本当に頼りになる」タイプを好んでいたので、その弓の「あっけないくらい快適な弾き心地」は逆に新鮮。世間一般でいう「よく吸い付く」「羽根のような」てやつです。こりゃ楽だわ。
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弓は弾いている間ずっと五感を使う、何より人間でいう「口」のようなものなので人によっては楽器より重要視します。自分もその考えに賛成できます。勿論自分に合う弓がオールドでもモダンでもコンテンポラリー(新作)でもいいんですが。問題は価格と価格バランスですねぇ・・・。高いものもちゃんと条件が揃えばリセールもある、寧ろ高く売れる場合さえあります。ただ、サルトリーの値段は性能に対して妙に高い・・・きっと現代の演奏家が弓に一番最初に求めているものが「強さ、腰」だからでしょうね。音や倍音はその次・・・
本当の意味で「オールドの倍音、子音」を持っているオールド弓はヴォアランかシャルルぺカットの初期くらいまででしょうね。Aラミーは・・・自分の2世代上の人はオールド弓とは認めないでしょうね。そんな印象を新たにしました。