今回は自分流のSPセッティング方法をメモしたいと思います。あくまで自分流。
まず、万人にして頂きたいのは「最終的な設置場所に拘らず「1:1:1セッティングを試す」事。これはSP背面側の壁(部屋)を3等分して、その等分した直線上を基本にSPを置く方法です。この状態の音を知っているか、知っていないかでは大いに違います。最終的にこの位置に置かなくてもいいんです、でもSPの本領を発揮した状態を一度体験しておく事はとても大事です。自分は最初は内振りなしです。自分は3等分した位置をテープで印をつけています。
まず壁からSP背面の距離を決め、その後微調整をします。ここからは勘になってしまうのですが、不満があれば、特に不満のある方を多少左右に動かします(おおざっぱですいません)。自分の経験では「音が急に前にくる場所、音量感が増す場所」が必ずあるのでそこを基準に固定して出来ればバミります。テープ等で位置の印をつけるのです。
話が前後しますが、セッティング中のCD(音源)は…(自分の場合ですが)定位感の良いオーケストラ物、比較的録音の古そうな物(編集であまりいじられていなさそうな物)、記録録音モノ等を、その時の気分で使っています。マイク2本録りなんて書いてあったらやり易いですけどね。もっぱら1つか2つの曲を使い、聴きながら動かしていきます。
内振りの量ですが、これを決める時はオケかオケ入りのソロ(協奏曲もの)をかけている時が多いです。対向配置でないやつを選びます。そうすれば、大抵は右チャンネルが低音側(ステージ上手側)、左チャンネルがvn側(ステージ上手側)になります。
右はとにかく低音感が心地よく感じられて、オーケストラでは比較的モコモコしやすいチェロがある程度明瞭に聴こえる位置で仮固定。左はとにかく高音やvnが刺激的でなく、且つ定位が感じられて音が前に来る位置を重要視ます。自分の場合は「三角形の中に自分が入り、左右の耳が左右の辺に来る位の内振り」になる事(自分の後ろで三角形の辺が交わる)が多いです。そして左右の内振りは必ずしも対称にはならない場合が多いです。微妙に違います。大きく違うと定位がずれてきますが。
ここでもう一度壁からSPまでの距離を測ります。壁⇔高域ユニットの距離です。これが意外と大事で、左右のバランスがイマイチの場合は自分の場合、内振りをいじっている内に壁⇔SPユニットの距離が左右で変わってきている場合が殆どです。壁とSPの間にものがあってもあくまで壁からの距離が大事です。
測ったら左右のバランスをとりながら微調整。迷ったら、一度内振りを少なくしてから徐々に増やしていきます。オケの管楽器や打楽器等が心地よく鳴るか、これも微調整のポイントです。必ず片方づつ内振りをいじります。両方いっぺんにはいじりません。
これが自分流のSPの位置決めの一つのパターンです。言い忘れましたがSPの前にあまりモノを置かないとか、色んな位置で試聴するとか・・・これもかなり大事です。その後、部屋の使い勝手を考えたレイアウトにしていきます。要は「上手く鳴る、鳴らないが装置のせいなのか、使いこなしのせいなのかを最初に見極める」事が大事かな、と。これで無駄な投資を抑える事が出来ると思います。
結局「部屋の音をSPが表す」ので、オーディオの音は部屋の音を表す「鏡」みたいな面があります。また、かなり分析的な説明をしましたが、基本は「音楽がスムーズに流れる事、音楽に集中して(音自体に気をとられずに)聴ける事」のための追い込みです。どうしても音自体を聴きがちですが、「おお、そこにいるみたい!」となればそれでいいと思います。後は聞き疲れしない音にさえすれば。
毎日聞いてもいいと思う音にする事がとても大事です。聞くのに覚悟がいるような音、セッティングはあまりお薦めしません。そういう意味では、部分的に超リアルでもダメだと思います。聞く人のインスピレーションに触れる音、雰囲気にする事がとても重要です。生演奏じゃない以上、音自体を聴くのではなく音の周りにある雰囲気を再現、醸し出す事がとても大事で、この点でTANNOYやハーベスやLS系、ALTEC等の鳴り方は巧いのではないかと思いますね。